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「言いましたよね?俺、自分から女性に声を掛けたのはあの日が初めてなんです」
「え、あれマジな話だったの…」
「マジです。初めてを育子先輩に捧げました」
「ねぇ、ふざけてる?」
「俺は自分の意志であなたを誘い、抱きました。それを忘れることなんてできません」
「……」
いつもにこやかな彼の表情は真剣そのもので、ふざけているのではないのだと伝わってくる。
普通の女性なら、ここでキュンとしちゃうのだろうか。
さて、どうしよう…
私は全くキュンとしないどころか、少し面倒くさいとすら思い始めている。
だけどプレスとアシスタントという関係上、仲違いしてしまうと仕事に支障が出るのは確実。
ああ…せめて違う部署なら良かったのに。
これは初対面の男に簡単に体を許した私への罰?
それとも、ワンナイトラブを簡単に考えちゃいけませんっていう神からのお告げだったりして。
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