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「春瀬くんは私にどうしてほしいわけ?」
「そうですね…今度の休みって予定ありますか?」
「え?今のところ何もないけど」
「じゃあ俺とデートしましょう」
「は?」
「俺のことたくさん知ってください。俺も育子先輩のこともっとたくさん知りたいです」
ちょっと待て。
話がぶっ飛びすぎ。
仕事中も休憩時間もずっと一緒にいるのに、休日まで二人で過ごせと?
休日は昼まで寝て、軽くおつまみを作り、真っ昼間からお酒片手に大好きな海外映画を観てまったり過ごすのが私の休日ルーティーン。
この時間があるからリフレッシュできて翌週の仕事も頑張れるのだ。
よって、デートだなんてとんでもない。
「悪いけど無理、」
「言っとくけど育子先輩に断る権利なんてありませんよ」
「なっ、なんでよ?」
「だって俺達、秘密を共有してる関係ですから」
再会したあの日と同じく自分の唇に人差し指を当てた彼は、ゆっくり口元を綻ばせた。
残念ながら次のリフレッシュタイムは、この男に奪われてしまうらしい…
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