ドSな彼氏のしつけ方

3/29

50人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
聖那は、ドカッと後部座席に座り、ドアをバタン!と閉める。 真は、慌てて運転席に乗り込んで、エンジンをかけた。 「なあ、真」 「はい」 真は、聖那のマンションに向かって、運転しながら答える。 「俺、あのオッサンにどこが負けてる?」 「あ、陽平さん、ですか?」 「うん」 まだ諦めきれないのか葵の恋人と自分を比べている。 「さあ。どこも負けているとは思いませんが。 聖那さんのほうが、イケメンで格好いいですし、お金持ちだと思いますし」 「だよなー」 少し機嫌が良くなった。 「葵は、ちょっと変わってんだろうな」 「そうかもしれないですね」 「真は、抱かれるならどっちがいい?」 「ええっ?!」 急に聞かれて真は、赤信号をすっ飛ばしそうになる。 慌ててブレーキをふんだ。 「うわっ!運転くらいちゃんとやれよ!」 急ブレーキに聖那は、前の座席に掴まった。 「だ、だって変なこと聞くから…」 真は、真っ赤になって言った。 「別に変なことじゃねえだろ!」 「せ、聖那さん…です」 「は?!」 「だから!聖那さんに抱かれたいです!何度も言わせないで下さい…」 真は、耳まで熱くなり、聖那は、それを見て面白そうに真の耳に息を吹きかける。 「わあ!やめて!運転中にそういうことしないで!」 真が慌てると聖那は、ゲラゲラと笑った。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加