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行方
「はい。正直、辛かったです」と僕は言った。
「教師と生徒の関係じゃなかったとしても、六歳も年下の子と付き合うなんてありえないと思ってた」と相内先生は言った。視線はまだ窓の外にある。彼女は少し間をおいて再び話し出した。
「でも人生の中で、こんなに私のことを一生懸命思って努力する人になかなか出会えないだろうなとも思った」
はた迷惑な僕の思慕は幸い、相内先生に悪い印象を与えなかったようだ。
「気持ちはすごく嬉しい。でも生徒から見ると、教師は魅力的に映るんだよ。間宮君は現実以上に私がよく見えているだけだよ」と相内先生は言って笑った。
「もしそうだとしても、大丈夫です。相内先生を等身大で見る頃には、新しく好きなところが見つかっていますから」と僕は言った。
ああ言えばこう言う、と相内先生は言った。
少し強めの風が梅のつぼみを揺らしている。
頼む。もう、報われろ。
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