背徳のオメガ 3

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日本に着いた時もメッセージを送ったけれど、ホテルに着いてからもメッセージを送った。すると直ぐに着信がある。 「アダム、わざわざ電話なんていいのに」 画面のアダムはうれしそうに笑っている。その姿を横にいる瑛翔にも見せてあげる。 「アダムっ」 『エイト、フライトはどうだった?疲れてないかい?』 「大丈夫。全然揺れなかったよっ」 瑛翔はうれしそうにアダムと話し始めるけど、あっちは今、夜中の2時だよね・・・。 「こんな時間まで起きてなくてもいいのに。こちらは無事に着きましたから、安心して休んで下さい」 まだ話し足りなそうな瑛翔の横からそう言うと、アダムはもう休むよ、と言いながらも、話は終わらない。 瑛翔は日本に着いてからの色々なびっくりを話し、アダムはそれをにこにこ笑って聞いている。 でもやっぱりさすがに休まないと、いくらアダムでも明日に響く。 「さあ、瑛翔。お話はまた明日にしようね」 まだ時差を知らない瑛翔は不満げだけど、僕は強制的にスマホを取り上げ、アダムに向いた。 「すみません。瑛翔がはしゃいじゃって」 『僕はまだ大丈夫だよ』 「ダメですよ。あなたの出発ももうすぐですよ。来る前に疲れてどうするんですか」 『ユイト、君は大丈夫なのか?』 僕の事情を知るアダムは心配してくれる。 「僕は・・・瑛翔がいてくれるので大丈夫です」 来た時には少しナーバスになったけど、楽しそうな瑛翔を見てたら少し気分も上がった。 それに・・・。 「わざわざこんな時間まで起きて待っててくれたあなたの顔を見れたので元気になりました」 それは本当の僕の気持ち。 それが伝わったのか、アダムはうれしそうに笑った。 『じゃあまた明日、電話するよ。それ以外にもメッセージは送るから』 「僕も送ります。おやすみなさい」 『おやすみ、ユイト。おやすみ、エイト』 その声にスマホを向けると瑛翔も元気に『おやすみなさい』と言った。 きっと、まだ昼間なのになんで『おやすみなさい』なんだろう?と思っているのだろう。だけど、それは瑛翔の中では大したことではなかったらしく、すぐに違うことを始めた。僕も上手く答える自信がないから訊かれなくてちょっとほっとする。 さてさて、明日からは大忙しだ。着いた今日ぐらいはのんびりしたいけど、多分夕方頃には瑛翔は飽きてしまうだろう。 今日の夜はファミレスでも行くかな。 ここに来る途中に見つけたファミレスを思い出す。 僕も久しぶりだし、ちょっと食べたい。 お気に入りのメニューはまだあるかな、などと思いながら、僕は大きく伸びをした。 長時間のフライトは結構疲れた。アメリカに行く時は全然平気だったのに、これも歳なのか? そう思いながら、元気いっぱいの瑛翔を見る。瑛翔は全然疲れた様子もなく、部屋をあちこち見て回ってる。 「ゆいくん、冷蔵庫のジュース飲んでいい?」 いつの間に冷蔵庫なんて開けたんだろう。 「それは高いからダメだよ。喉乾いたなら買いに行こうか?」 「うん!」 ファミレスの前にコンビニだね。 僕は元気な瑛翔と手を繋いで、コンビニへ向かった。
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