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「セリーナ、気をつけて行ってくるんだよ。支度金のおかげで色々領民に還元できたが、良かったのか?」
支度金で領民共有の農機具をいくつか買い、自分用のドレスはお母様のものをいくつか自分で仕立て直して用意した。
移動用のドレスも着古したものだ。
「お父様、私はこれで充分ですわ。お給料もらったら、また送りますからダニーの学費の足しにもしてね。」
「姉さま。僕、いっぱい勉強して学費免除目指すから、むりしないでね。」
「セリーナ、身体に気をつけてね。」
「お母様も無理はしないで…」
「お嬢様…」
「みんな、行ってきます。」
みんなに手を振ると着替えの入ったトランク1つという軽装で迎えの馬車に乗り込んだ。
初めて乗る荷馬車ではない公爵家の馬車はクッションが良く、少し長旅になるのでありがたい。
迎えに来た公爵家の執事は、私の顔を見て驚いていたが、こげ茶色の髪に翠の瞳は平々凡々だと思うけれど、違うのかしら。
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