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さすが公爵家のお嬢様だ。 私なんて貧乏なせいで、いまだに結婚話のけの字もないのに。 「ところがアイリスは現在とある理由で王宮にあげることができない。 公爵家でなおかつ宰相としては、ほかの貴族の手前、辞退ではなく、王太子に選ばれなかったという立場をとりたいのだ。 王宮に貸しを作りたくないのもある…という訳でセリーナにはアイリスとして王太子の花嫁候補を3ヶ月つとめて欲しい。 報酬は、口止め料込みで3000ポルトだ。」 3000ポルトと言えば、うちの領地の2年分の収入、あるところにはあるんだなと思うが、それだけ大変なことなんじゃないのか? 「すみません。私がアイリス様じゃないって、すぐにわかってしまうと思いますが。」 「セリーナは、アイリスによく似ている。アイリスの写真だ。」 写真のアイリス様は、私より淡い色の瞳が違うだけで、鏡を見ているようにそっくりだった。
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