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「エレナ…あなたからのお母様と私は従姉妹だけれど姉妹のようだと言われるほど似ているから、大丈夫だろうと来てもらったのよ。でもまさかここまで似ているとは、びっくりしたわ。」
奥様が言う通り、奥様とお母様は良く似ている。
だから私とアイリス様も似ているのだろう。
ただ、顔は似ているけれど、儚げなお姫様と田舎の貧乏伯爵家で家のために働く逞しい長女な私とはかなり違うと思う。
とは言え、嫌とは言えないか。
支度金使っちゃったし、報酬もいい。
「精一杯頑張りますから、色々教えてください。公爵様、私は3ヶ月間、王宮で候補の中、目立たずにアイリス様の振りをして過ごしてくればいいんですよね?終われば家に帰れるということで。」
「そうだ。念のためアイリス付きの侍女を王宮行きに付けるから、困ったときは、頼ればいい。」
「ところで、アイリス様はどうして王太子様のお相手にならないのですか?途中で入れ替わるという可能性もありますか?」
「アイリスはなんというか…うちの執事の1人チャーリーと駆け落ちして…いま行方を探しているんだ。」
「はあ…」
そりゃ、隠したい話だわ。
「見つけたら連れ戻すつもりだが、場合によっては、しばらく領地の屋敷の別棟に2人で住まわせて、ゆくゆくはチャーリーを養子にすることも考えている。いまそのことが他の貴族にバレるのは非常にまずいのだ。」
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