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自分のお腹に触れながら呟いた俺の言葉に、俺の中の兄さんが大きくなった。
「あっ!」
仰け反る俺に
「葵!お前……ここでそれ言うか?」
眉間にシワを寄せ、耐えている顔をする兄さんを見上げる。
「今、一瞬イキそうになっただろう」
辛そうに言われて、俺は小さく微笑み
「良いよ。兄さん、我慢しなくて良いから。俺、何回だって受け止めるよ」
両手を広げて言うと、兄さんは大きな溜め息を吐いて
「お前、本当に初めてなんだよな」
って聞かれてしまった。
俺が真っ赤になって
「そんなの……兄さんが一番良く分ってるでしょう!」
と両手で顔を隠して返事をすると、兄さんは俺の手を退かして額に兄さんの額をコツンと当てると
「俺は一生、葵に適いそうに無いな」
そう呟いて微笑んだ。
それから間もなく、兄さんの腰の動きが速くなり呼吸が荒くなる。
「葵……もうっ……!」
今まで見たことの無い切羽詰まった兄さんの声に頷くと、ビクっと兄さんの身体が震えて俺の中で兄さんの欲望が爆ぜるのを感じた。
「くっ……」
「あぁっ!」
俺も兄さんの背中に爪を立てて、中で爆ぜる兄さんの熱を感じながら果てた。
本当は生で受け止めたかったけど、兄さんから「それは絶対にダメ!」って怒られので…それは追々って事にして今回は素直に従った。
お互いに荒い呼吸を整えていると、兄さんがそっと俺の唇にキスを落として強く俺を抱き締めた。
「葵、愛してるよ」
そう囁かれて、俺も兄さんの頬に両手で触れて
「翔……俺も愛してる」
と囁いて、再びキスを交わした。
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