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そんな事を考えて幸せを噛み締めていると、兄さんの瞼が動いてゆっくりと漆黒の瞳が現れて俺を見つめた。
「おはよう」
少し掠れた兄さんの声がセクシーだなんて思った事は、俺だけの秘密。
「翔……おはよう」
そう言って頬にキスをすると、兄さんが『ボン』って音が鳴るんじゃ無いかって感じに、真っ赤になった。
昨日……もっと凄い事したんだけどなぁ~って苦笑いすると
「夢じゃなかったんだ……」
って呟いて俺を抱き締めた。
「葵、身体は大丈夫?何処も痛くない?」
心配する兄さんに
「うん、大丈夫。まだ兄さんが入ってるみたいな違和感はあるけど」
と答えると、兄さんは首まで真っ赤にして
「あ……そうか。辛いか?」
って、凄いギクシャクして聞いてきた。
俺は首を横に振って
「ううん、大丈夫。それより、幸せだよ」
そう答えて微笑んだ。
すると兄さんもふわりと微笑んで
「俺も幸せだよ。ありがとう、葵」
って額にキスを落とす。
「兄さん、ちゃんとキスして欲しいな」
俺が兄さんの首に手を回して目を閉じると、そっと兄さんの唇が重なる。
舌を絡め、そのまま俺達は昨夜の名残を求めるようにベッドの中へと沈んで行った。
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