高校生編 第3話

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 コンビニで焼き魚弁当とグリーンサラダを買う。我ながら何とも言えないくらいヘルシーなチョイス。でも仕方ないじゃないか、だいたいこういうのばっかり取っちゃうんだから。  一足先に会計を終えて、山内くんと一緒に店に戻る。休憩室に戻ると、ちょうど竹中さんもこれから昼ご飯のようだった。 「あれ、二人してどっか行ってたの?」 「山内くんのバイクでコンビニ行ってました」 「あ~なるほどね」  弁当を電子レンジで温めている間に、竹中さんの向かいに座ってサラダを食べる。山内くんは私の隣に座っておにぎりのフィルムを剥がす。 「山内くん、それだけで足りるの?」 「まぁ、足りるかな。普段から小食だし」 「ふぅん」 「逆に深瀬さんは多いくらいじゃない?」 「なにそれ。遠回しに太るって言ってる?」 「いや、そういうわけじゃ……」 「咲良ちゃん、山内がそう言う時はだいたいビンゴだから」  竹中さんは時々私のことを「咲良ちゃん」と呼び、山内くんを呼び捨てにすることがある。その竹中さんの発言を肯定するようなタイミングでレンジがチーンと音を立てた。 「えぇ~山内くんデリカシー無いの~?」なんてことをおふざけで言いながら、レンジから弁当を出して蓋を開ける。山内くんは何かと弁明していたみたいだけどごめんね、お弁当出すのに気を取られて聞いてなかったよ、えへへへ。  もこっと立ち上がった湯気のおかげか、ご飯も塩鮭も美味しそうだ。 「そんなんじゃ彼女なんて夢のまた夢だぞー」  竹中さんが山内くんにとって痛いところを突く。彼女いない歴=年齢。 「余計なお世話です」 「うわ、咲良ちゃん聞いた? 山内のやつ先輩からのアドバイス横流しにしたよ?」 「うわひどーい、先輩からのアドバイスはちゃんと聞かなきゃだめだよー」 「そーだそーだー」 「深瀬さんは俺の肩持ってくれると思ったんだけどな」  切ない表情を浮かべておにぎりに噛みつく山内くん。さすがにこれ以上はかわいそうだから竹中さんと二人で声を殺して笑うまででやめてあげよう。  ざ・へいわな昼休憩の後、また店の方に出て仕事に励む。午後からもお客さんの数はそれほど多くなく、至極(しごく)緩やかな時間が流れていった。そのまま私が退勤するまで何も無いまま、その日の私の仕事は終わった。  午後三時を少し過ぎてからタイムカードを打って店の裏口から外に出る。一番気温が高い時間帯だからか、暑いを通り越して痛いくらいの日差しを容赦なく受ける。ちょっと歩いただけでもう汗が体中の至るところから湧いて出てくる。こんなに暑いと、別に泳がなくても良いから足首まででも冷えたプールの水に浸けていたくなる。それだけでもかなり違ってくるんじゃないだろうか。
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