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お母さんは鬼のような形相になりました。
「どこが繊細なのよ! あんたは子供が怪我したらどうするのよ!」
お父さんはお母さんの剣幕に心底驚いているようでした。でも、お父さんは痛みを庇いながら、なぜか満足そうでした。
「今の母さんの顔、怖かったけど、迫力あって良かった。今度使おう」と小さな声で呟いていました。
お母さんが私の怪我をみるために、一緒にお風呂に入ってくれました。土の汚れなどはあったけど、特に怪我などは、全くなかったことで、お母さんは安心したようです。
私は湯船に浸かりながら、お母さんに怒っているかどうか聞きました。お母さんが苦笑いを浮かべながら答えてくれました。
「怒っていたけど、特に誰も怪我してなかったし、済んでしまったから。後片付けは大変だけど」
すっと気持ちを切り替えたようにお母さんが話しました。
「でも楽しみはこれからです。どうやってあの旦那をこらしめて、あんな奴抜きで、みんなでおいしいものを食べようかなと思って」
お母さんはとっても笑顔でした。
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