ファイル13 孤児と盗まれたパン―後編―

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 こそこそとマギーにお小遣いの使い道を告げてから、自信満々の顔でニックとリサを振り返った。 「待たせたわね! ニック、貴方達を雇うわ! チーム名はそうね……名探偵シャーリーみたいに宝石に名ぞろえて——【ガーネットチルドレン】とかどうかしら?」  ニック、リサは口をポカンと開けたまま固まっている。  これはマズいとアイリーンは、信頼するマギーに視線で助けを求めた。  マギーはにこりと笑って、アイリーンに応える。 「お好きにどうぞ。私としてはお嬢様がブラッドストーンとか、痛い名前を付けなくてよかったと思っています」 「うっ。と、当然でしょ」 (あ、危なかったわ……) 「よくわかんねぇけど、いい名前なんだろ? お嬢、よろしくな!」 「……おじょう、よろしく」  満面の笑みを見せるニックとリサ。二人に手を差し出したアイリーン。 「二人ともよろしくね。頑張ってもらうわよ!」  こうして、探偵令嬢アイリーンの特別諜報(ちょうほう)部隊ガーネットチルドレンが結成されたのだった。
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