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マンションに着きました!2回目
定食屋さんからの帰り道、私は心の中で怒っていた。
三崎先生が、夕飯の会計を勝手にしてしまったからだ。
自分の夜ご飯ぐらい、自分で払うのに……。
みんなが、私の事を彼女だと思っていて、そこのお会計が割り勘で支払ったら三崎先生の顔が立たないと思って、お店の外で払おうとしても、この前、迷惑をかけたからと受け取ってくれなかった。
「三崎先生は、優しすぎます!」
エレベーターに乗り込んだ時に三崎先生に言った。
「じゃ、佐藤さんには、これから冷たくするからそれでいいかな?」
「えっ?」
三崎先生の意外な言葉にビックリして見ると、クックッと肩を震わせている。
「あ、先生、人の事をからかってヒドイ」
「優しいのがダメらしいからしょうがないね」
とニヤリと笑った。
くっ、悔しいけど、少し意地悪そうに笑う顔もいいなぁ。
でも、やられっぱなしが悔しい。
三崎先生の肩に手を掛け、耳元で囁いた。
「三崎先生が私に冷たくするなら、私が三崎先生を熱くしてみせます」
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