一緒に帰ります

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 マンションの駐車場に車を停めてから、コンビニで買った荷物を部屋に置き再び三崎先生と合流してエレベーターへ乗り込んだ。    エレベーターの狭い箱の中、操作パネルの前にいる三崎先生をチラ見すると視線が絡んで、オマケにニコッて笑うから三崎先生が可愛くて、モフりたくなってしまう。  一緒のところに帰って、また一緒に晩御飯を食べに行くなんて、まるで同棲しているみたい。なんて余計な事を思ったら、なんだか気恥ずかしい、妄想が膨らみそうなのを必死で追い払う。  チンッと音がして1階への到着。「お先にどうぞ」と三崎先生に言われて、「ありがとうございます」とエレベーターを降りた。  三崎先生の案内で、並んで夜の住宅街を抜け、幹線道路の一本裏の道にある定食屋さんにたどり着いた。  カラカラカラと引き戸を開けると、おかみさんが笑顔で「おかえりなさい」と迎えてくれる。私の後にお店に入った三崎先生の顔を見るなり 「あら、あら、センセもこんな素敵な人を連れて来るなんて、スミに置けませんね」ところころ笑った。    おかみさんは、私の事、三崎先生の彼女だと勘違いしているんだ。  焦って三崎先生を見ると、おかみさんの言葉に否定も肯定もしないで笑顔を見せている。  テーブル席に向かいあわせに座り、お店の手書きのメニューを覗き込んでいると、顔を近づけてオススメを説明してくれる。 「佐藤さん、お肉を食べるなら生姜焼き定食やカルビ定食もあるよ」    くっ、さっきのコンビニ弁当のガッツリ系やっぱり見られていたんだ。  肉食女子のイメージが……。 「三崎先生は、何を食べるんですか?」 「カツオのたたき定食にしようかな?」 「じゃ、私も同じものを!」 こうしていると本当の恋人同士みたい。  三崎先生は、親切でしてくれているのは、わかっている。けれど、優しすぎて勘違いしてしまいそう。              
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