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背中から抱きしめて、三崎先生の心臓の早い鼓動を聞いていた。
「私、三崎先生ともっと近くなりたい。三崎先生としたい」
こんなことを言うなんて、はしたないと思われちゃうかも知れない。けれど、熱いキスをして体に火照った熱が消えない。
「ネクタイ……外してくれますか?」
三崎先生にまわした腕を緩めると、私の方に向き直った。
いざ、向き合うと自分から誘ってしまったのに、ドキドキがMAXな感じがする。今なら血圧計を振り切りそう。
ラフに緩められたネクタイに手を掛けた。シュルリと聞こえる衣擦れの音が酷く官能を掻き立てる音に聞こえる。
ネクタイを引き抜くと、そのまま、三崎先生のYシャツのボタンに手を掛けた。
「佐藤さん……」
名前を呼ばれて顔を上げると、唇が重なる。
チュッと音を立てて離れた。
「ここ廊下です。バスルームとベッドルームどちらにしますか?」
そうだ、三崎先生のマンションの玄関をくぐって、リビングに入る前にガッツキ気味に三崎先生を襲っていた事に今、気が付いた。
一日働いて、汗もかいている。私、臭かったらどうしよう。
「……バスルームでお願いします」
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