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Side 佐藤
お風呂のスイッチを押して、三崎先生が部屋から買い物があるからと慌てて部屋から出て行ってしまった。
さっき、買い物をしてから帰ってきたはずなのに……。
あっ、と思いついた途端に急に恥ずかしくなる。
常備していないのも遊んでいない感じで良い。
脱衣室に入って、服を脱ぎ、鏡に映った自分の体を軽くチェックして、浴室に移動した。
ボディーソープを借りて丁寧に体を洗った。シトラスの香りが泡に乗って立ち上がる。シャワーのカランを押し上げると、丁度良い温度のお湯が体の上を滑り泡を落として行く。
半分ぐらいまでお湯が溜まった浴槽に足を入れて、腰を下ろした。
半身浴の深さでちょうど気持ちの良い感じ、その後徐々に溜まって行くお湯を浸かりながら様子を見ればいい。
ふーっ、気持ちいい。
と、思っていたところにバタンとドアの閉まる音がした。
三崎先生が帰って来たんだ。
自分からバスルームでと言ってしまったけど、初めてするのにいきなりバスルームを指定して、ハードルを一気に上げてしまった気がする。
ドキドキする。なんか、三崎先生と出会ってからずっとドキドキしている。
ホルター心電図を付けたら一日に何回も異常が見つかって、治療が必要になるレベルかもしれない。
それぐらい、ドキドキしている。
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