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PIACE1.弧低
PIACE1.弧低
私は孤独というものが寂しさを伴うとは今まで知りもしなかった。
社会というパズルで群衆というピース中で産まれて育った。環境も良かったはずなのに何故か独りになりたかった。どうしても心が孤独を望んでいた。
どうしてもなりたくて人との接触も避けてきた。教室で普通に喋っている人達にさえ心も開かず、そのパズルに私なんかのピースが介入すれば一向に絵は完成しないと思った。
「なんで喋らないの?」
なんて声を掛けられたこともあったけれどあまりにストレート過ぎて私は無言だった。たまにこう言われる。
「あの子見た目は普通なんだけど何かかわいいんだよね」
それは単なる一時的評価。後に『何だよあの子』と文句を付けられた。
私は素直に嬉しいと思えなかった。そんなことを続けていくにつれて私は喋らない子。そう認知されるようになった。
クラスの男子からもたまに反応を試されるようなことをされた。それでも私は反抗したりはしなかった。このことで学校というパズルの中で私は弱い者としてのスペースに当てはまるピースを手に入れた。
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