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「…血縁がたとえない家族でも、似てくると思いませんか?一緒に過ごした時間が全てだと私は考えてます。なので、私の知っているご夫婦は、似てる方が多いんですよ。
それに、私は嘘はつきません。本当に似ていないものは、似てるなんて言いませんよ。おふたりは似てます。目がキラキラしていて、色んなものを共有している、素敵な兄妹です!」
リョク兄と過ごした時間。それはかけがえのない、言葉ではたとえられない、幸せな日々だった。
「…ありがとう……」
リョク兄にそう言ったら、「これから先も幸せにするよ」なんて言いそうだ。
離れないよって言葉、とても嬉しかった。
「リョク兄のこと、今日も一日よろしくお願いします」
「しっかりサポートするので、任せてください」
パンツスーツ姿の彼女が背中を向ける。その後ろ姿は細いのに、広く見えた。わたしが結婚する時はあの人に頼もうかなあ。
「あ」
ぼんやりと思っていると、何かを思い出したように彼女が振り返った。
「やっぱりあまり似合いませんね。でもぴったりですよ、佐川さんのお好きな色が」
……センスがないんじゃ、なかった。
リョク兄の好きな色……
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