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「……ゅうじ、修二!!おきて!もう
十時だよ!!」
まなみは修二の体をガクガク揺すると、修二はやっと目を覚ました。
「……んっ……ここどこ?」
「寝ぼけてる。きのう私の家に泊まったじゃない。安心して、ホテルはキャンセルしておいたから」
「……あたま痛い……」
「あんなに飲んだんだから仕方ないわよ。さあシャワー浴びて、今日は前の会社行って挨拶するんでしょう?」
そうだった。修二はあわててシャワーを浴びさせてもらって着替えると、まなみの実家をあとにする。
「お世話になりました。すみません突然泊まらせていただいて……」
「いやいや、かまわんよ。北山くん、まなみを頼みます」
まなみの両親はニコニコとふたりを見送った。二日酔いで酒が抜け切らないので、まなみが運転席に座る。
「お父さんと知り合いなの、偶然にしてはできすぎだよね」
「ほんと。まなみが高山さんの娘さんだとは夢にも思ってなかったよ」
「お父さん、あんまりしゃべらないでしょ。職人気質なとこあるから」
「会社では高山さんにすごくお世話になってたから、高山さんと家族になれるの嬉しいよ」
家族になる……、何気なくそう言った修二の言葉にまなみはドキンとした。結婚するんだな、ほんとに。そう自覚すると、嬉しくて顔がニヤけた。
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