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まなみの父親はかなり喜んで、酒だ酒だと大騒ぎ。出前の寿司を食べながら、日本酒をガンガン修二に飲ませた。
修二はふらふらで、歩けなくなくなるほど酔っ払って、けっきょくまなみの家に泊まることになった。
まなみは二階の自分の部屋まで、なんとか修二を連れて行って、ベッドに寝かせた。
「はい、ベッドついたよ、大丈夫?」
「うー……もう無理です」
「ごめんね、お父さんが」
「むにゃむにゃ……」
修二はもう寝てしまったようで、グーグーといびきをかいている。まなみはため息をつきながらもホッとした。思いもかけず父親と関係があったことも、何か縁だったかもしれないな。
父親は、隆史との結婚をあまりよく思っていなかった。婚約破棄された時は、ほらみたことかと、かなり怒っていたのだ。
今回は全く違う。北山くんなら間違いないと快諾し、喜んでお酒を飲んでいたのだから。
片付けを手伝おうと、応接間へ行くと父親もグーグー寝転んで布団をかけられていた。台所へ行き、洗い物を手伝う。
「まなみ、いい人そうじゃない。北山さん」
「そう言ってもらえてよかった」
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