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里穂とまなみはドレスショップをあとにして、ホテルのラウンジでコーヒーを飲んでいた。全面ガラス張りの窓からは、ハワイの熱い日差しが差し込んでいる。
「里穂さん、あすのパーティーは何のパーティーなんですか?」
「スマート農業をやっているイノリファームという会社ご存知?」
「はい、話はきいたことがあります。かなり業績を上げている注目企業だとか」
まなみは隆史から、スマート農業を取り入れてもっと収穫量を増やしたいという話を聞いていた。何社かと話し合いをしており、そのうちのひとつがイノリファームだった。
「イノリファームの副社長、会長の御子息ね。その方がハワイでもスマート農業をひろめようと、地元企業を対象にした展示会を開いたの。その打ち上げパーティーよ」
「里穂さんとイノリファームさんとは、どういうご関係なんですか」
「私、こう見えても家庭菜園が好きでね。都心から少し離れたところに畑を借りて、野菜を育てているの。それがご縁でCMに起用されることになったから、それで呼ばれたのよ」
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