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修二は生垣をぐるっと回って迎えに来てくれた。
「お待たせ、けっこう奥まで迷い込んだね」
「そうだよ、もうダメかと思った」
「ははっ、迷路で遭難は笑うよな」
「ひどいー」
「ほら、行こ?」
修二は手を出してきた。もうまなみに戸惑いはなかった。修二と手をつないで迷路のゴールまで辿り着く。
「やったー! ゴールできた!」
「俺のおかげだろ?」
「ほんと、修二に負けたのが悔しい」
「あ! 集合時間!?」
慌てて修二が腕時計を見る。
「わ、あと5分しかない。まなみ、急ごう!」
手をバッと引かれて走って駐車場まで行く。大きくて暖かい手。さっき会ったばかりなのに、前から知ってたみたい。なんかドキドキする…。
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