5152人が本棚に入れています
本棚に追加
まなみは素直に残念がっていた。ときめいたのも久しぶりだったし、また会おうと言ってくれた修二の言葉は嘘をついているようには思えなかったからだ。
関係者に挨拶をする、修二の流暢な英語を後ろに感じながら、大きく息をついた。
ほどなくしてパーティーはお開きになった。里穂とホールの入り口で別れ、まなみはホール前の大きな窓から海に浮かぶ月をじっと眺めた。
ほとんどの人がホールから出て、あたりが静かになる。部屋に戻れば夢から醒めてしまう。もう少しここで月を見てたい。
明日のノースショア、行くのはやめよう。婚約者がいるんじゃ申し訳ないし。そっち側になるのはいやだ。
「まなみ?」
名前を呼ばれてパッと、後ろを振り返る。そこにはカチッとしたスーツに身を包んだ修二の姿があった。
最初のコメントを投稿しよう!