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まずい!このままじゃ…!?!?
まなみは顔を背けようとするが、修二の押さえる力が強い。なんとかしなきゃ!!
「修二……やめっ……」
ガタガタ震えながら、声を絞り出そうとする。
「まなみ、力抜いて?」
「……??」
そう言って、修二はまなみのあごから手をパッと離すと、ギュッと抱き寄せた。
あれ? なんか……嫌じゃない。
優しくてあったかくて、大切なものにさわるみたい。まなみは思わず頭を修二の胸に寄せて背中に手を回す。
「……もう、嫌じゃない?」
「修二、わかってたの?」
パッと顔を上げるとニヤニヤした修二の顔があった。ちっ近い!!近すぎる! あまりの恥ずかしさに思わず顔を背けた。
「まなみ、わかりやすすぎるよ。顔、真っ青になってたし」
「……ごめんなさい、ちょっと調子にのりました」
「素直じゃん。でもこうやって抱き合ってると本当に恋人みたいだな」
「……ばか」
修二はそっと体を離すと、ネクタイをゆるめながらドスンとソファに座った。
「なんか、軽く食べる? 俺パーティーで結局何も食べてなくて……腹減った」
「私も。パーティーで食べ損なった。美味しそうだったなローストビーフ…」
「ははっ、じゃあローストビーフにする?」
「やったぁ!」
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