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 実は勝ち抜いたグループの代表は理事長と対決する資格を得られる。  種目は“ゲーム”。といっても、ピコピコする方のものではない。チェスやポーカーなどのことである。  そして、その勝負に勝った者は、学校側に何でも1つ――もちろん、モラルは守らなければならないが――願いを聞いてもらえるのだ。  そして、このバトルの開催を宣言できるのは、生徒会長のみなのである。 「暗殺後は、この学園の理事長代理である諏訪家に学校の権利を引き継いでもらうつもりです」 「諏訪家は了承しているのか?」 「いいえ。でも諏訪家は元々、教育の分野にも手を出そうとしていましたの。きっと引き継ぐはずですわ」  諏訪家は、比較的大きな財閥だ。財力だけでみれば、烏鷹家の上を行くだろう。  それならば、きっと買う。2人は確信した。  腐っても、最近、旧家を勘当された少女と元執事一家の跡取りである。  諏訪家の性質から見て、それくらいは分かるものである。 「美國。バトルに出るのなら、もうメンバーは決めているのか?」 「いいえ、まだですわ」 「なら適任がいる。電話して、2階学習室に呼び出すから行ってこい」 「なぜ、この部屋に呼び出しませんの?」  七楽は、090――と番号を押し始める。 「俺とソイツらが仲良いことは秘密にしてるんだ」  コール音を右耳で聞きながら、彼は答えた。 「もしもし、田代か? 今すぐ2階学習室に“四配”を呼び出せ」  ブツッ。 「用件を告げただけで切っていいの?」 「『ラジャー』と返ってきたから、問題ない。それより早く行け。もう集まっているかもしれない。ほら、早く!」 「え、ええ」  長い黒髪を揺らしながら、生徒会室を出て行く美國を見送った。
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