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四
「失礼します」
学習室のドアを開けると、そこには、すでに4人の男子生徒がいた。
1番手前にいる清潔感あふれる高身長男子が、困ったように目を動かす。
「えっと……、ここ使う?」
「貴方たちは、四配ですか?」
美國は、質問を無視して質問を返した。
「え、そうだけど……」
やはり、1番手前の男子がそう言う。
「あ、分かったっ! かーくんが僕たちを呼び出したのって、この子のためだよっ!」
高身長男子で隠れて見えなかった、マッシュショートにツイストパーマをかけている比較的低身長男子が、クリクリの目を輝かせる。
ちなみに“かーくん”というあだ名は、七楽の下の名前から取られたものである。
「で、そうなのっ?」
「ええ、そうよ。私は、烏鷹美國。七楽が、君島であったときの、主人になる予定だった者よ」
「ふーん、烏鷹ちゃんかっ」
「「「「よろしく」」」」
一斉に突き出された4人の手を見て、美國は微笑んだ。
「ええ、よろしく」
「じゃあ、最初に自己紹介でもするか。おれからでいいか?」
全員が「どーぞ」と答えたので、1番奥にいた金髪男子が話し始めた。
「おれは、戸川光雪。得意なのは勉強。父がフランス人だ。これは地毛」
光雪が髪を撫でる。
青みがかった黒い目は、2つを併せ持つことを示しているようだ。
色白で彫りが深めの顔立ちには、丸眼鏡が良く似合っている。
超美男子である。美しい。
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