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学校の生徒会室は教室の広さとさほど変わらない。が、物が多すぎて壁一面に天井まで立てられた棚があって、物で溢れている。いたるところに埃が積もって物置小屋のよう。生徒会室の面影はどこへ行ったのやら。
生徒会室復活をすべく学年代表三人と生徒会役員六人担当の先生 計 十人で手分けして片付けることになった。ここにいる誰もができるだけホコリを触りたくないと文句を垂れたので、私が一番上を整理することにした。
触りたくないのならもっと前に掃除しろよ!てか、よくここで活動できてたな、と言いたい。
「いやー、久しぶりに中に入ったけど前より酷くなってるね笑」
待て待て、今何とおっしゃいました?
今の今までどこでやってたんですか?
聞くと先代の前からこうなっていたのは確かみたい。今までの活動は図書室でやっていたらしい。
埃をかぶっていたのは、ほとんどがいらないものだった。
ボロボロの応援旗にもう必要のない企画書、なかには何年前のものか分からないテストの通知表まである。誰ですか、学校に隠したやつ。
掃除を続けていると懐かしいものが出てきた1年生の時まで廊下にあった木製の目安箱だ、今はプラスチックの箱に変わった。何か入っていないかなと、中を見てみると一枚の淡いピンクの紙が入っている。
そこには
「君のことが好きなんだ。くしゃくしゃに笑った可愛い笑顔とか、実は君の泣いたり怒ったりした顔も好きだったりする。いつも近くで見てきて、頼れる奴だなぁとか思ってる。何でも全力で頑張る君の姿は素敵だよ。僕は応援してる。好きだから、いつも君を想ってる。」と書かれ、見たこっちが恥ずかしくなるラブレターと「図」と数字の羅列、一番下に3304と書かれている。
面白そうだったので紙はお持ち帰りすることにした。
結局掃除は終わらなかった。
量が多いのもあるけど虫が出てきて女子が叫ぶわ、働かないわで半分も進まなかった。ちゃんと働いていたのは私と男子三人だけ。ただ見ているだけだった先生からは「明日もしっかり頼みますよ」と言われる。
あー!めんどくさー!やりたくない!!
今回、人の話は聞かないといけないと、身に染みた。とりあえずしばらくはゆっくり小説に浸れそうもない。
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