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曾祖母（智子）の手紙
清隆さんへ
お父様より清隆さんが特攻機『桜花』のパイロットに選ばれたとお聞きしました。
お父様もお母様も名誉の事だとおっしゃっていますが、私はそう思えません。
だって私のお腹には清隆さんの赤ちゃんが居るからです。
八月には清隆さんはこの子の父親になられるのです。
だから生きて帰って来て下さい。
他の誰が死んでも構いません。
日本が負けても構いません。
清隆さんが戻って来てくれれば私は何も要りません。
絶対に無事でお帰り下さい。
いつまでも、お待ちしております。
これから鹿屋基地に伺おうと思います。
清隆さんを『探し出す』のは難しくて、多分逢えないかもしれません……。
でも、せめてこの手紙だけでもお渡しできればと思っています。
智子
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