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『ねえ、覚えてる?』
窓の向こうの電柱に止まっていたカラスが、俺に語りかける。
『あの時、流星だった俺の姿が見えていたのは、お前だけだった。クラスの皆には、俺は見えていなかったんだ。俺のために、いろいろ考えてくれたのは、お前だけだった。俺のためにお前は自分の時間を惜しみなく分けてくれた。今また、お前は、誰かのために苦痛を反芻してる。見知らぬ誰かのために、惜しみなく時間を使い涙を流している。混乱し、迷い、悩み、苦しんでいる。その葛藤こそが、命の架け橋になるんだ。大切なのは、命の重みを忘れないこと。命のぬくもりを覚えていること。限られた命だからこそ、幸せにならなくちゃいけない。失われゆく命の叫びを忘れずに、お前は幸せをつかめ!』
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