16人が本棚に入れています
本棚に追加
カラスはまるで俺を待っているかのように、とある場所まで飛ぶと、一度、街路樹に止まったり、看板に止まったり、歩道橋に止まったりしながら、とうとう川の近くの公園までやってきた。
カーーーッ カーーッ
初めはカラスらしく、普通に鳴いた。
鳴いたので、俺の帽子はカラスが止まっている柵の下に落ちた。
俺は帽子を拾い上げ、パンパンと手で枯草をたたき落とし、汚れていないか確認し、頭にのせた。
その時だった。
少し離れた場所に移動したカラスは
『ねえ、覚えてる?』
と、俺に話しかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!