証言

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「花を飾る先生ではあったよね。私よく花瓶の水替えた。でも、だからって子供の机の上に置かないよね」 「置いたとして、それで人だかりはできないだろうし」 「でも2組では、その子が居なくなったことについて、なんの説明もなかったと思う」  そしてその花が置いてあったことも、私は覚えていない。いや、本当に見ていないのかもしれない。小学1年生の頃の私は病弱だった。これといった大病を患うわけではないのだが、風邪を引いては39度程度の熱を出すのは定番で、治ったらすぐに次の風邪を引くような生活をしていた。 「私も小1の時に衝撃的な朝の会や帰りの会があった記憶はないね」  佐奈美は健康優良を絵に描いたような人で、運動も勉強も昔から出来たし学校を休んだりすることも少ない。花が置かれていたタイミングで話がなかったはずもない。
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