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赤いまばたきは終わらず、ただまぶしさの中に吸いこまれた。
警告音も車輪の音も遠ざかり、暖かさだけが寄り添った。
いきたくないよね、わたしも一緒だよ。
私は栗色の睫毛をまばたかせ、白くて冷たい指で真っ白なページをめくりながら、目の前で泣いている少女に言う。
いきたくないよね、わたしも一緒だよ。
私とひとつになった少女はいつか、栗色の睫毛を陽光に煌めかせて誰かに言う。
いきたくないよね、わたしも一緒だよ。
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