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コツコツコツ
彼女の注意がこちらに向かなくなったので、ガラスを叩いてみる。お願いだからこのまま放っておかないでほしい。後で何でも言うことを聞くから。
コツコツコツ
彼女はまったく俺に反応してくれなくて、室外機だけが相変わらずブンブンとうるさく音を立てている。
俺が何したって言うんだよ、まったく。
ふと、彼女は歩いて隣の部屋の方に入っていった。何か用でもあるのだろうか。姿が見えなくなるとよけいに不安になる。
隣の部屋で一体、何をしているんだ?!
せめて俺の見えない所には行かないでくれ!
そんな俺の不安を知ってか知らずか、彼女は目的の何かを持ってリビングに戻って来た。とりあえず見える所にいてくれるだけで、何となくほっとする。
願うのは、もうこれ以上何もしないでいてくれることだけだ。
もっと願えるなら、ここの鍵を開けてほしいのだけれど……
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