君を幸せにする為に、僕に出来ること

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ご明察! 今度はまるで、そんな風に笑う。嬉しそうに頷いて、選び取った一口サイズのチョコレートを開けた口に投げ入れた。 「エーくんがさ、心に傷を負う度に僕の怪我が増えるんだ。このままじゃ、死んじゃうよ。だからどうか、僕を殺してしまわないで」 その言葉を最後に。 ふっと、まるで始めからそこに誰も居なかったかのように、少年は消えた。空気に溶けた。 僕は目を見開いて、それから辺りを見回してみたけれど、少年の姿は何処にも無い。 慌てて玄関に行き、靴を見た。少年の履いていた運動靴が無い。 リビングに戻り、少年の為に盛った様々なお菓子の乗った皿を見た。僕は何と無く、各お菓子を五つずつ用意した。三つじゃ少し物足りないし、四つは数が悪い。と思ったので、良く覚えている。 小分け包装されたそれらは、指を指して数えなくても明らかに五つずつあった。チョコレートだけ、一つ足りない。 「…………」 少年は確かに、此処に居た。 それなのに、そんなことはあるはずがない事だった。 僕は暫く固まって、四つになったチョコレートを凝視していた。
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