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スペアキーを挿して、鍵が開いているのに気づいた。ドアを開けると、みすずの嬌声が聴こえた。室内に入って行くと、何となく頭の中に漠然とあったものが、実像となって現れた。みすずはダイニングで、あの夫婦の男性に抱かれていた。行為に夢中の男性は、俊太郎に気づいていなかったが、みすずは確かに気づいていた。そして俊太郎と視線を合わせながら、声を上げ続けていた。
「……パパ、」
みすずの言葉で、男性が漸く動きを止めた。可哀想なくらいに狼狽して、下着を履き直している。
「す、すみません、これは、」
男性が消え入るように言った。
みすずはしらけたように身体を起こし、はだけていたパーカーでむき出しになっていた乳房を隠した。
「これは、何です?」
「これは……お嬢さんが……」
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