その関係はやがて破綻するだろうとテラスハウスの誰もが噂した

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 俊太郎は、このごっこ遊びに些かうんざりして来ていた。 「俺はお前が望むものは総て与えた筈だ。この上に何が必要なんだ」 「……分かンないの」  みすずの顔は最早、蒼ざめてきていた。  胸の奥がチリチリとした感覚を持ち、自分を責めた。こんな小娘を虐めて何になるのか。それで自分を罰したつもりなのか。 「パパなんか嫌い」  みすずが絞りだすように言った。 「嫌い、嫌い」  そうして俊太郎の腕や顔をその細い腕で叩き始めた。ネイルをした指が眼の端に入り、涙が滲んで痛みが走った。 「よせ。もう子供じゃないだろう」  極力声を抑えて、俊太郎はみすずの両の手を自らの手で掴み、封じた。  眼が合った。  みすずの唇は、きつく食いしばられ、血が滲んでいた。  手を下ろさせ、俊太郎はみすずの唇の血をそっと、指で拭った。 「……そういう事するから。そんな風にするから」
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