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そのまま、バーボンで熱せられた息と共に唇が俊太郎に迫ってきて、ぬめるような感覚と共に舌が口の中に躍り込んで来た。
これがみすずのやり方だった。
男たちが求めているだろうものを差し出して、その対価を得る。男は単純な生き物だと思っている。それがみすずという女だった。おんなというのには、まだみすずは年齢を重ねていなかったが少なくとも、俊太郎とは不釣り合いなほど若かった。子供でもおかしくない、そんな年齢だった。
「欲しいものリスト、追加しちゃった」
みすずはベッドにだらしなく横になり、唇を窄めて言った。
今時は恥ずかしげもなく、自分が欲しい、あるいは人から贈られたいものをリストアップしてネット上に掲載するのが流行りなのだそうだ。
そういった若者の流行りに迎合しようとか、話を合わせようといった気持ちは俊太郎には無い。
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