縁切り神社

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「ねぇカナコ、覚えてる?  3年前………私が……あの神社に行ったこと」 目の前に座っているミキは、 手を擦り合わせながら、私に問いかけた。 童顔で可愛らしい顔つきのミキだが、 少し、やつれたように見えた。 「……神社?」 「縁切り神社よ」 私とミキは同じ会社で知り合った同期で、 お互い今年で30になる。 老け顔の私とは違って、職場でもよくモテていたミキは、 とても三十路(みそじ)には見えないが。 こうしてゆっくりと顔を合わせて話をするのは、1週間ぶりだった。 「思えば……あの神社に行った後からだった。 急に悪いことが起こるようになり始めて……」
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