縁切り神社

ミキは一層、手を擦り合わせた。

「せっかく仕事も上手くいってたのに、いきなりリストラされて、
なぜかずっと風邪も引くようになった。半年もずっとだよ！？
やっと治ったと思ったら今度は……」
「交通事故でしょ？　この前聞いたわ」
「そう……。私、忘れてたの。
何で縁切り神社に行ったのか。やっと思い出したの。
あの時、１ヶ月だけ付き合ってた元彼と別れたくて行ったんだって」

ミキの元彼と言うのは、修二さんのことだ。
修二さんは、２個上の私達の上司だった。
そして、私にとっては、大学時代からの先輩でもあった。

３年前、ミキに振られ、
その頃から会社を休みがちになっていた修二さんは、
１週間前に、退職した。
ミキとの破局がよほどショックだったのだろうと
しばらく社内でも噂になった。

「私、ちゃんと調べずに行ったの。縁切り神社のこと」
「……え？」