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私がずっと好きだった人を……修二さんを……
まるで疫病神扱いしたミキに、
怒りと嫉妬が生まれてきた。
もう、以前のようにミキと仲良く接することなんて出来なかった。
ミキの顔を見たくなかった。
『ミキと離れられますように 2018.3.31』
1人で縁切り神社に行って、絵馬に書きながらそう祈った。
次の日突然、ミキがリストラされて、祈りが届いたんだと思った。
これでもう、ミキの顔を見なくて済む。
そう思っていたのに。
ミキはずっと変わらず私に連絡をとり続けた。
何度も電話やメールをしてきた。
無視しても、しつこく会おうと言ってきた。
縁切りの力なんて全く効いていなかったんだ。
そして1週間前。
ミキと、3年ぶりにカフェで会った。
修二さんが退職したことを機に、
やっぱり、ちゃんとミキに伝えなければと思ったからだ。
修二さんが好きだったことを。
そしてミキが、ほんの少しでも、
縁切り神社に行ったことを後悔してくれるなら。
心の中でミキを許そうと。
ミキの顔を見た瞬間、込み上げる想いをグッと堪えた。
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