1人が本棚に入れています
本棚に追加
終わり
「なぁ」
「どした?」
「俺らなんで駅にいるんだ?」
「なんでだろうな」
駅には人がいない。
運転案内も作動はしてなかった。
「終わるんだろ?もうじき。」
「終わるな。まず間違いねぇよ。」
「そうか。」
「おう。」
「呆気なかったな。」
微笑み気味に言うお前の顔を見てつい泣きそうになる。
不思議と怖くはなかった。
「なぁ。」
「どした?」
「終わりと始まりが繋がってるって話、信じるか?」
「迷信だろ。終わったら終わりだ。」
目頭が熱くなる。終わるまで泣く訳には行かない。
「もしやり直せるならどうしたい?」
「そりゃ世界救ってみせるさ。」
「そうか。俺が居なくても?」
「それはどうかな。」
「次は上手くやれよ。」
最後、なんと言ったかは聞こえなかった。
最初のコメントを投稿しよう!