終わり

1/1
前へ
/4ページ
次へ

終わり

「なぁ」 「どした?」 「俺らなんで駅にいるんだ?」 「なんでだろうな」 駅には人がいない。 運転案内も作動はしてなかった。 「終わるんだろ?もうじき。」 「終わるな。まず間違いねぇよ。」 「そうか。」 「おう。」 「呆気なかったな。」 微笑み気味に言うお前の顔を見てつい泣きそうになる。 不思議と怖くはなかった。 「なぁ。」 「どした?」 「終わりと始まりが繋がってるって話、信じるか?」 「迷信だろ。終わったら終わりだ。」 目頭が熱くなる。終わるまで泣く訳には行かない。 「もしやり直せるならどうしたい?」 「そりゃ世界救ってみせるさ。」 「そうか。俺が居なくても?」 「それはどうかな。」 「は上手くやれよ。」 最後、なんと言ったかは聞こえなかった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加