4.この出会いは必然でした?

2/9
前へ
/53ページ
次へ
とは言ってみたが、あまり納得していない様子。 「ふぅん。まぁ何はともあれ、彩が元気になったんなら良かった。こう見えても心配してたんだから。」 「うん。心配掛けてごめんね。それとありがとう。」 「ごめんなんて、水臭いなぁ。」と笑い合った。 「ごめん、総務に行かないと行けなかったから私もう行くね。」と紅葉は笑って去って行った。 こんな友達がいてよかった。 心からそう思った。 それから私も仕事に戻り、夜お店に行く事を楽しみに仕事をマッハで終わらせにかかった。 どれだけ頑張っても、楽しみなのと、博音さを好きだと自覚してしまってからは緊張もあり、気がそぞろだった。 結局いつもと同じ時間になってしまった。 だが、帰り支度はいつもより早かった。 浮足気味に会社を出てお店に向かう。 お店のドアを開けると、博音さんと清がいた。 「こんにちは。」 と言って入る。 「彩さん。いらっしゃいませ。」と博音さんが、 「彩ちゃんっ、久しぶり〜。会いたかったよ〜」と清が行って、抱きついてきた。 (あぁ、この感じ久しぶりだな)としみじみ思っていると、清が隣の席へと案内した。 それから私達は他愛のない話をして、とうとう気になっていた事を聞いた。 「ずっと気になってたんですけど、告白どうなりました?」と聞くと 「もう聞いてよ。」と言って嬉しそうに話し出した。 「あの時ね、彩ちゃんに勇気づけてもらって、思い切って『話があるから』って言って呼び出したのよ。」と言った。 その呼び出し方はなんだか果たし状に描かれてる言葉みたいだなと思って聞いていた。 「それで、一緒に食事に行って、いい雰囲気のお店に行ったのよ。しかも敢えて男の格好で。」なんで?と思っていると、 「敢えて男の格好で行ったのはね、男としての私も受け入れて欲しかったから。普段は男の格好してるわけだしね。」と笑っていた。 この人は人としてとても芯が通っていて、強い人だなと思った。 「それで、樹さんにさんの反応はどうだったんですか?」と続きが気になった。 「反応はいつもと変わらなかった。でも、ちゃんと好きだって伝えたの。今まで一目惚れを信じたことはなかったけど、樹さんに出会って、恋をして、樹さんを知るたびにどんどん惹かれて行った。でもこんな自分を受け入れてもらえるか不安だったけど、勇気を出す事も大事だと教えてくれた子がいたから…ちゃんと伝えたいって思った。って言ったら自分も私の事が気になってたから嬉しいと言ってくれたの。」とほんとに幸せそうに話してくれる。 「それで、お付き合いする事になって… これからは、パートナーとして二人で助け合っていきたい。って言ってくれたのよ。私は幸せ者だわ。これも彩ちゃんが励ましてくれたお陰よ。」と言っててを握って喜んでいる。 良かった。ほんとによかった。清さんみたいに素敵な人には幸せになってもらいたい。 喜んだでいるその姿を見ているだけで私も癒されるし、幸せのお裾分けを貰っている。 心の底からお祝いを言いたい。 「清さん。おめでとう。」と言ってちょっと涙ぐんでしまっていた。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加