4.この出会いは必然でした?

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そして、彩さんの部屋でお茶をしていた時、女性の部屋にしては似つかわしくない、男性物の日用品がチラホラ有った。さっきの男が自分のものは捨てても構わないと言っていたので、そいつのだろうと思う。 正直な僕の気持ちとしては、ここを引っ越して欲しいと思っている。 だが、そんな事、僕の口からは言えるはずもない。 そう考えていると、彩さんは、部屋の更新を機に引っ越しをしようか迷っているというのだ。 引越しの際は手伝うと言った。 だが、彼氏でもない男が手伝うのはどうなのかとも思ったが、そんな事どうでも良かった。 彩さんに関われるならと、必死だったのだ。 大の大人が何をしとるかと、清に怒られそうだが。 そしてまた、僕はある提案をした。 彩さんの職場まで迎えに行く事だ。 今回みたいに何かあってはいけないからと、行ける時だけだが、迎えに行くようになった。 それが日常になりつつある時、清がまた金曜日に行きたいと言い出した。彩さんにしばらく会ってないから、会いたいというのだ。 それで彩さんにメッセージを入れ、清が来る旨を伝えた。彩さんも楽しみにしていたし、丁度良いだろうと思ったのだが、 彩と清の会話は、初めは清の告白の報告だった。 だが、段々と不穏な内容になってきた。 それは好きな人が居るのかという、清の質問のせいだった。 「好きな人は、居ます。」 と彩さんは答えた。 居るんですね、好きな人。 なら僕が今までやってきた事は迷惑だったんじゃないかと思った。 清は楽しそうに続きを聞きたがった。 「そうですね… とても落ち着いていて、一緒に居ると安心できる人ですね。あと、多分心配性ですね。いつも私の顔色見て大丈夫か?って聞いてくれるので。」 と答え、恥ずかしいらしく顔を赤くして俯きながら話していた。その姿はとても可愛らしかった。 清は僕の気持ちに気づいているだろうに、告白をするよう彩さんを説得していた。 やめてくれ、これ以上彩さんが他の男について話すところを見たくないと思った。 そして、彩さんは勇気を出して告白をすると言った。 それならば、他の男に攫われる前に僕も告白するしかないと決心した。 彩さんを困らせてしまうだろうが、僕の気持ちを知って、僕の事を考えて欲しいと思った。 それでもしダメなら、それは清が彩さんに勇気を出させた事が悪いとかなんとか言って、清に慰めてもらおう。と考えていると、 「…さん、博音さん?大丈夫ですか?」 と彩さんが心配していた。 「っあ、いえ、大丈夫です。」という返事になってしまい、全然大丈夫じゃないなと苦笑した。 清が僕たちを見てニヤニヤしていた事には全く気付いて無かった。
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