1.この出会いは偶然?

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(同じ茶葉なのに、淹れる人によって味が違うのは何でだろう…)と思いながらクッキーを食べると、これまた美味しい。 甘すぎず、ちょっと塩味もあって、バターの香りもちゃんと残って、後、すごく爽やか。 「んっ、美味しい。甘すぎずバターの香りと、あと、とても爽やかな感じですね。」と言うと、 「そうなんです。このクッキーにはハーブを使っていて、後味がさっぱりするように作りました。気に入ってもらえてよかったです。」と言った。 「ハーブってお茶や料理にも使えるんですね。」 「ええ、ハーブって結構身近にあるもので、普段何気なく料理してるものとかもハーブの一種だったりするですよ。」 「へ〜、そうなんだ。」 と、意外な事実を知った。 そうして他愛のない話しをしているうちに今日の日替わりメニューを出してくれた。 「わぁ、美味しそう。」 今日の日替わりはパスタではなくご飯だった。 「今日は、白米と、クミンというハーブを使ったカボチャコロッケ、オリーブオイルをかけたサラダ、オオバゲッキツというハーブを使ったラッサムというスープです。」 とメニューの説明をしてくれた。 「クミンを使うとカレー風味に近いコロッケになるんです。それと、オオバゲッキツとクミンは共に胃腸に良いハーブで、オリーブは美容に良いハーブですよ。」 料理のいい香りが漂って私の空腹を刺激する。 「ラッサムは辛味と酸味があるので、苦手な方もいらっしゃると思いますが、辛いの大丈夫ですか?」 「はい、全然大丈夫です!  私あまり好き嫌いがなくて、なんでも食べるんです。子供の頃は家や学校でよく食べる子だと言われて、おかわりの列に男子に混じって並んでたくらいです。今となっては恥ずかしいですけど。」 「そんなことないですよ。よく食べる事はいい事ですからね。」 と言ってくれた。 そんな話をしながら食べた料理はとても美味しかった。 カレー風味のコロッケも、辛いスープもご飯が進む。 ご飯好きにはたまらんメニューだった。 そして食べ終わると今度はデザートを出してくれた。 「これはセンテッドゼラニウムを使ったヨーグルトです。上に乗っかってる花びらがそのハーブになります。これも美容効果があるんですよ。」 と言った。 「すごく可愛い。彩がとても綺麗ですね。香りも良くて、美容にも良いなんてありがたい。」 しばらく料理を堪能して今日はお暇することにした。 「今日はごちそうさまでした。とても美味しかったです。」 「ありがとうございます。是非またいらしてください。」 「はい。」 と言って笑顔の博音さんに見送られ、私も笑顔で満足げに軽い足取りでお店を後にした。
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