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2.夜のお店と愉快な仲間
彩がハーブのお店に通い出してからもうすぐ1ヶ月が経とうとしている。当初は春だったが、今は初夏に近づいてきて、日が照っている日も多くなった。
彩の仕事は相変わらず忙しい日々を送っているが、今までとは少し違う。
それは、彩ができない事はできないとはっきり言う様になった事だ。以前はどれだけキツくても顔にも出さずに残業続きでクタクタになっていた彩だが、今は皆とちゃんと協力して、チームとして仕事に励むようになった。
この事は彩にとっても、会社の皆んなにとってもいい機会で成長に繋がったと言えるだろう。
そして、そのおかげで以前はあまり行けなかった『herba』にもちょくちょく行けるようになった。
前は閉店間際に、駆け込みの時もあったが博音さんは「今日は来られるかな?と思ってました。」といつも笑顔で待っていたくていつも待っていてくれるのだ。
(なんと、ありがたいことだ…)
自分ではあまり考えていなかったが、博音さん曰く私は週の半ばの水曜日と週末の金曜日にお店に行く事が多いそうだ。それでその日はギリギリまで待っていてくれているらしい。
(なんだか申し訳なくなってくるな…)
そんなこんなで、日中よりも夜の時間に行くことが多い。
しかも遅い時間に行くので、他のお客さんとは一度も会った事がない。
そんな中、今日は仕事が外回りで終われば直帰してもいいとの事。しかも今日は華の金曜日。華金最高!はさておき。
ならば今日一日歩き疲れた私自身にご褒美だと思い、取引先を出たのが、18時過ぎそこから歩いてお店に行けば19時には着けるだろうと思い向かった。
最近の私仕事も順調で気分上々なのであります。
(金曜日ってなぜかちょっとテンションが上がるんだよな。)
案の定、19時を過ぎてしまったが、普段よりは格段に早くお店に来れた。
「こんばんは。」
「彩さん、いらっしゃいませ。」
ドアを開けると博音さんが声を上げた。
(ん?、誰かいる。)
中に入ると先客がいた。
その人がこちらを向いた。
(わぁ、めっちゃ美人。絵になる2人だな)
と私は心の中で妙に感心したと同時に、ちょっぴり胸がチクッとした気がした。
(おい、チクってなんだ。)と自分でもよく分からない症状に突っ込んでしまう。
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