星流れる時に

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 丘を下りきって林の中を少し進むと、遠くに人の声が聞こえ始めた。キャンプ場に戻ると、キャンプファイアのように高く積まれていた焚き火もあと少しで消えそうなほど小さくなっていた。 「おーい、どこまで行ってたんだよ」 そんな呼びかけに、私の少し先を歩いていたハルは少し歩調を速めて大声で返事をした。 「その辺登って、星見てた」 「星?」 そう言って、仲間の一人が上を見上げたが、すぐに「なんだよ、こっからじゃ木で見えねぇじゃん」と言う声が聞こえ、その様子から察するに、星を見るのはすぐに諦めたようだった。 「そりゃ、俺達がそれなりの時間かけてやっと見た星だ。そんなに簡単に見れるわけがない」 その様子を見てハルがなんだか誇らしげに言葉を返した。 「おーい、おかえり。ちょうど『明日もあるからもうそろそろ寝ようか』って話してたところだったんだよ」 テントのすぐ近くまで戻ったところで、もうすっかり小さくなった焚火の前に座っていた友人がこっちを見て教えてくれた。 「明日?」 私がテントに向かって歩きながらそう呟くと、私より数歩だけ前にいたハルが私の方を振り返って言った。 「うん、『明日』だよ、ナミ。明日は何しようか?」 その目は優しく、そして間違いなく真っすぐに私を見ていた。
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