二度目の庄司

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 父が私に激甘なのは、思春期に差し掛かった時期に親子になってしまった、そんなどう扱っていいかわからない親子関係のせいじゃない。元々こんな性格なのだ、この人は。私たちは()()親子になったのだ。父は私が生まれた時から父親だった。私にとって父親はあの人しかいない。母との離婚後も、父や父方の祖父母とは定期的に会っていたし、再び一緒に暮らし始めることに違和感はなかった。  どのみち、私が受け止められなかったとしても、二人はめでたく再婚したし、向希は再び私の兄になった。でも、本当の本当は、また家族揃って暮らせることが嬉しかった。なにより、生活が充実した。離婚してから、生活力のない母に代わって家のことはすべて私がしていたのだから、解放されてラッキーだった。   問題はここからだった。  小学校から同じだった友人たちは、私に両親の離婚で離れて暮らす兄がいることを知っていた。だから私は父と母が元さや再婚したことを素直に話してしまっていた。私にとっては片親の家庭からごく普通の一般家庭に戻っただけだと思っていたのだから。 ──そういえば、昔からそうだった。 『まあ、お兄ちゃんはほんとに可愛いわね』 『色が真っ白で』 『目がぱっちりで』  とにかく、多くの美辞麗句は兄に向けられた。そして言った。『ああ、男女逆だったら良かったのにねえ』  友達からも『似てないね』って言われた。だけど、そうかな?くらいに思ってた。肌の色は確かに私の方が黒かった。目はそうだな、くらいのこと。なんせ、そんなに容姿を気にする年じゃなかったから。
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