二度目の庄司

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「そういえば、お父さんとお母さん、どっちがどっちを引き取るってどうやって決めたの?」  私は、くじ引きででも決めたんじゃないかなって、思ってた。いや、マジで。  どっちがどっちを引き取るか、どちらの組み合わせも可能なほど、私たちは分け隔てなく育ててもらっていた。むしろどちらも引き取りたいと揉めるくらいだっただろうと思う。ところが、不意を突かれた母は、「そりゃ、私は向希を引き取れないから」と言って、ハッと口ごもった。その違和感に母を問い詰めた。  母は遂に観念したように、真面目な顔して姿勢を正した。 「有希、実はあんたと向希は本当の兄妹じゃないの」 つまらない冗談で誤魔化されるものか。これを聞いて、私はこう思った。だけど、お母さんったら全然笑わない。しばらく待ってみたけれど“なーんちゃって”とか“だったらどうする?”なんて言わなかった。  ただ、俯いて、 「今まで言えなくてごめんね。二十歳(はたち)になったら言うつもりだったんだけど、再婚するとは、思ってたけど、思ってなかったっていうか……」  と、ほんのり頬を桜色に染めた。 「照れてんじゃないわよ。そこじゃないって!え、え、え。どういうこと? じゃあ一体向希は誰の……あ、もしかしておじいちゃんとおばあちゃんの子どもってこと?」   父方の祖父母は40歳になるかならないかくらいで孫(向希)が出来たって言ってた。世間体を気にする家だ。もしかしたら、兄妹ってことにしたのかも。と思うくらい、この時の私はピンときてなかった。
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