小学6年生

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小学6年生になった私。 私には、親友がいた。名前は、川上。 小学3年生になって、同じクラスになり、そこから同じ好きな映画で盛り上がったのがきっかけで仲良くなった。 私は、今まで運動ができなかったが、習い事で水泳をしてから、持久力がつき、短距離は、特別速くなかったが、マラソンは今までよりも上位になった。 勉強もきっかけは覚えていないが、塾に通っていたし、いい点数が取れるようになった。 その時から、親友と喧嘩することが増えた。原因は当時分からなかった。 私が、クラスで注目されると、川上は不機嫌になった。そして、私から話しかけても無視され、避けられるようになった。 1年に一回ある縄跳び大会。川上より私が上位だと川上はとても怒っていた。 私は、なぜ川上が怒っているのかわからない。私は、自分の結果が良くてただ素直に嬉しいだけなのに。 「なんで怒ってるの?」 と、川上に言っても 「怒ってない!」 と、不機嫌そうに去ってしまう。 私は、小学6年生のときの思い出があまり良くなく、早く卒業したかった。卒業式は、悲しいはずなのに、私はとても嬉しくて顔がにやけていた。 そして、私たちは中学生になった。 川上とは3年間同じクラスにはならなかった。しかし、部活が一緒だった。私は、レギュラー入りで、川上は補欠だった。 ある時に私は、興味本位で自分の名前をエゴサーチした。すると、見覚えのないブログが、あり、そこには、私の個人情報が書かれていた。 名前、血液型、どこの小学校出身、好きな食べ物‥あらゆる事が書かれていた。その個人情報は、川上にしかわからない事ばかりだった。 そして、私は川上に直接電話で話したら、そのブログは、既に消されていた。 それから、私は、川上に対して拒否反応が出た。部活では、話すことはなかったが、川上がとても憎かった。 高校受験の時、私と川上は同じ高校を目指していた。私は、川上の事は眼中になかったが、受験の日に私に話しかけてきた。しかも、馴れ馴れしく。本当に鬱陶しい。鬱陶しい。 そして、高校受験の合格発表で私が発表を掲示板で見る前に、川上は私の前で泣いておめでとうと言ってきた。私も合格だったが、先に川上に言われて嬉しさが半減した。 そして、お互い高校生。 3年間同じクラスになることなく終わり、高校を卒業して大学に進学し、私は今、大人になった。 川上は、今は地元で働いている。そして、マッチングアプリで出会い探しをしているらしい。 私は、小学生、中学生と振り返るのはとても辛いのだ。だから、成人式に行くのは凄く嫌だったし、小・中学校の同窓会にも行かなかった。 もう、過去の自分を知っている人に会いたくない。あの頃の黒歴史を思い出したくない。辛くなるだけだ。 だから、私は、大人になって、毎日を新しいことに更新して過ごすのだ。 もう、あの時に戻りたくないから。前に進むために。
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